舌下免疫療法
舌下免疫療法は、スギ花粉症とダニによるアレルギー性鼻炎の根本的な治療を期待できる療法です。根治を目指すため、治療期間は最低でも3年必要となりますが、効果は3か月程度で出始めますので、症状の改善を実感しながら計画的に根治を目指しましょう。
重いアレルギー性鼻炎等でお薬の効果が不十分の方、お薬を減らしたい方、お薬の副作用である眠気などが出やすく、受験勉強を控えている方や運転・仕事に支障のある方などにお勧めです。
- 舌下免疫療法について
- 治療法
- 効果・副作用
- 舌下免疫療法をお勧めする方
- 療法をお受けできない、またはご相談が必要な方
- 治療の流れ
舌下免疫療法について
舌下免疫療法は、スギ花粉症とダニによるアレルギー性鼻炎の根本的な治療を期待できる療法です。
治療法
- 治療は、1日1回アレルゲンを含む錠剤を舌の上に1~2分乗せ、ゆっくり溶かした後に飲み込みます。これを毎日継続することでアレルゲンを少しずつ体内に吸収させ免疫を作り症状を緩和させます。
- 治療は、最低3年程度継続が必要となり、症状の消失が終了の目安となります。治療開始3か月後くらいから効果を実感できます。
- 5歳以上の患者さまが治療の対象となります。
- 治療開始時期は、スギ舌下免疫療法は6月から遅くとも11月(花粉飛散時期の1~5月は治療ができないため)、ダニ舌下免疫療法は1年中可能です。
- 通院は、副作用の出やすい最初の3か月は2週間毎、その後は1か月毎となります。
- 治療終了後、時間が経過すると症状が出現する場合がございますが、再度治療を開始した場合、短期間で症状の改善が期待できます。
効果・副作用
- 臨床試験の結果では80%の方(内20%は症状が出なくなり、60%は症状が改善した)に効果が見られたと報告されております。一方20%の方には効果はなく、治療開始後は経過観察を行いながら効果を見極めてまいります。
- 治療により症状が改善した後は、数年は効果が継続しますが時間の経過とともに弱まる場合がございます。ただし、治療を再開すれば短期間で効果の改善が期待できます。
- 副作用については、以下のような一時的で軽微な症状がございます。現在まで重篤な症状は報告されておりません。主な副作用として、口内や舌の腫れ、口内や舌、喉のかゆみが起こることがございます。
- 重篤な副作用としてアナフィラキシーショックと呼ばれる症状を起こす可能性もあるため、初回の投与は医師の指導の元、院内で30分程度様子を見させていただきます。
治療をお勧めする方
- 重篤なアレルギー性鼻炎等で服用の効果が不十分の方
- 眠気などの内服薬の副作用が出やすく、受験勉強を控えている方や運転・仕事に支障のある方
- 複数の花粉にアレルギーがある等で、服用中のお薬を減らしたい方
治療をお受けできない、またはご相談が必要な方
<お受けできない方>
- 6歳未満の方
- 重度の気管支喘息の方
- 悪性腫瘍、免疫系の疾患の方
<ご相談が必要な方>
- 65 歳以上の方
- 妊産婦、授乳中の方
- 口内に炎症のある方
- アレルギーの原因が多数ある方
- ステロイドや抗うつ剤、高血圧薬などの内服されている方
- 重度の肺疾患や心疾患、高血圧症のある方
- 過去に舌下免疫療法で処方するお薬で急性の過敏反応のあった方
治療の流れ
- 初診時に問診と血液検査を行い、ダニ、またはスギ花粉のアレルギーの診断をいたします。また舌下免疫療法について丁寧にご説明させていただきます。
- 血液検査の結果をもとに治療が適応されると診断された方に舌下免疫療法を開始いたします。初回投与は院内で行います。アナフィラキシーショックなどの副作用がないかを見るため、30分程度院内で様子を見させていただき、治療の継続が可能か判断いたします。問題ない場合は、翌日からご自宅で舌下投与を行っていただきます。
- 治療開始から3か月間は副作用が起こる可能性が高いため、2週毎に通院いただき経過観察いたします。3か月を過ぎてからは1か月毎の通院にて診察を行います。
Bスポット療法
風邪の引き始めはいつものどがイガイガする方はいらっしゃいませんか。それは上咽頭(Bスポット)の炎症が原因かもしれません。風邪を引いたかもしれないと思ったら、上咽頭を治療すると風邪の治りが早くなります。
- Bスポット療法について
- 治療法
- 効果・副作用
- Bスポット療法をお勧めする方
Bスポット療法について
Bスポット療法は、蓋垂(のどちんこ)の裏側にある上咽頭という場所に、塩化亜鉛という炎症を抑える薬を、綿棒を使い直接塗る治療法です。
上咽頭は、呼吸により鼻から入る空気が触れるため、空気中にあるウイルス・細菌・カビ・ホコリなどが付着しやすく、炎症を起こしやすい場所です。風邪の初期段階では上咽頭が炎症を起こしていることがあります。
治療法
治療は、ファイバースコープで上咽頭の状態を確認しながら行います。数十秒で終了しますが、痛みを伴い出血することもあります。
通院頻度については、軽い風邪症状の場合は一度で終了いたします。慢性的な症状や強い炎症が診られる場合は、週に1~2回程度の治療を継続いただくことをお勧めしております。症状が慢性化している場合は、10~20回程度治療する場合もございます。
治療後、患部からの出血により鼻水や痰に血が混ざることがございますが、一時的なもののためご安心ください。
効果・副作用
- 軽い風邪症状の場合は、一度で効果がみられる、または風邪の治りが早くなります。
- 慢性的な症状や強い炎症が診られる場合は、継続的な治療により効果がみられます。
- 一時的に治療前よりも症状が重くなる場合がございますが、
- 上咽頭の炎症が強いため治療による刺激で起こると考えられます。時間の経過とともに症状は治まりますが、症状の変化については医師にご相談ください。
Bスポット療法をお勧めする方
- 風邪が長引く、頻繁に風邪を引く方
- のど風邪にかかりやすい方
- 風邪ではないのにのどや鼻に不快感がある方
- 後鼻漏(鼻からのどに鼻水が流れる)の症状のある方
Bスポット療法の注意点
- Bスポット療法が適応となる症状がある場合でも、必ずしもBスポット療法が良い治療法ではない場合がございます。症状を診察の上、適切な治療法をご提案してまいります。
- Bスポット療法は、投薬や処置治療の補助的な治療法であるため、現在受けている治療も継続して必要な場合もございます。
CPAP療法
ご家族やパートナーのいびきが心配なことはございませんか。
当院ではいびきや睡眠時無呼吸症候群の診察・検査・治療を実施しております。
- CPAP療法について
- 治療法
- 効果・副作用
- 治療の流れ
CPAP療法について
CPAP療法は、簡易検査により睡眠時無呼吸症候群と診断された患者さまに対する治療です。
睡眠時のいびきや無呼吸の改善するために、鼻マスクを装着し、いびきや睡眠時無呼吸症候群の原因となる気道が塞がっている状態が解消することで、症状が改善する治療です。従来の治療法に比べて、即効性・安全性・確実性がより期待できる療法です。
機器はレンタルが可能で、レンタル費用と治療費を合わせて保険が適用されます。
治療法
睡眠時等に鼻マスクを装着し、小型の機械から鼻に空気を送り込み、圧を加えることで気導を膨らませ、息を吸おうとするときにのどがひしゃげるのを防ぐことで、症状を改善します。
CPAP療法に合わせて、いびきや睡眠時無呼吸の根本的な原因を解消するため、対症療法や生活習慣(減量やアルコール摂取量の減らすなど)の改善指導なども組み合わせて行ってまいります。
治療期間は特になく、いびきや睡眠時無呼吸症候群の原因となる気道が塞がっている状態が解消され、症状が改善されたことを終了の目安とします。
効果・副作用
ほとんどの患者さまに有効であり、使用当日から無呼吸の改善が見られ、ぐっすり眠れるようになったと感じる患者さまが多くいらっしゃいます。
使用感として、のどや目が乾く、耳鳴り、お腹が張るなどを感じる患者さまもいらっしゃいますが、正しくマスクが装着できておらず空気が漏れている、また圧の調整が合っていない場合がございますので、医師にご相談ください。またマスクの違和感などは使い慣れると感じなくなることがほとんどです。
治療の流れ
1
2
簡易検査キットをご自宅へ郵送手配をいたしますので、お手元に届き次第ご自宅で検査を行っていただきます。検査結果は1~2週間程度で届きます。
簡易検査のRDI値により睡眠時無呼吸症候群と診断されます。重症度により、治療方法を検討してまいります。
重症度 | RDI値 | 治療法 |
---|---|---|
重症 | 30以上 | CPAP療法の導入 |
中等症 | 15以上30未満 | 精密検査に移行し、CPAPの導入判定 |
軽症 | 5以上15未満 | 生活指導を中心とした対症療法 |
RDI:検査中にカウントされた1時間当たりの無呼吸、低呼吸の回数
3
再度来院していただき、睡眠時無呼吸症候群の診断と治療方針のご相談をさせていただきます。CPAP療法適応の診断となった場合は、実際に装置とマスクを装着しながら機器を調整いたします。また装置の取り扱いと生活指導等をお伝えいたします。
※中症度の睡眠時無呼吸症候群と診断された患者さまは、入院による精密検査にて重症度の精密な判断が必要となります。専門施設にて一晩入院していただき、睡眠中の脳波・眼球運動・心電図・呼吸・いびき・酸素量などの生体活動を測定します。
4
5
めまい外来
めまいは、急に起こったり、原因が特定しにくかったりと、不安な患者さまも多くいらっしゃると思います。めまいの原因は、耳(内耳)にある場合も多く、しっかりと検査を行い、明確な治療方針をご提案することで患者さまの不安を和らげることができればと思います。
ただし、脳の病気(脳梗塞や脳腫瘍、脳出血)が原因となるめまいの症状である場合もございますので、言葉が出づらい、身体の片側の麻痺・しびれや、激しい頭痛や吐き気・嘔吐を伴う場合は、直ちに専門の医療機関をご受診ください。
- 良性発作性頭位めまい症
- メニエール病
- 前庭神経炎
良性発作性頭位めまい症
めまいの患者さまの約20~40%がこの病気で、めまいの中で、一番頻度が多いといわれる病気です。
症状は、頭が特定の位置にある時、または頭を動かした時(臥床時、起床時、かがんだ時)に起こる激しい回転性のめまいです。めまいは数秒から数十秒で治まり、難聴や耳鳴りはなく、よく見られるめまいの病気です。眼振検査では上向と下向の方向交代性の眼振が見られることが特徴です。
原因は、内耳にある耳石という身体の平衡を保つための石がはがれ、頭の動きに伴い三半規管の中を移動することでめまいが起こります。
多くの方が2~3週間で自然治癒いたします。継続する場合には耳石置換法として、めまいがする頭位をとり、頭・体の順に回転させる治療により耳石を元の位置に戻します。
メニエール病
めまい、難聴、耳鳴の3つの症状が急激かつ同時に現れるのが特徴です。
症状は、回転性めまい、耳鳴、難聴などを繰り返します。めまいは突発的なものが多く、自律神経症状(吐気や冷汗、呼吸の乱れなど)を伴うこともあります。診断には聴力検査と眼振検査が必要となります。
原因として、内耳のリンパ液が過剰な状態(内リンパ水腫)により症状が引き起こされますが、その誘因として種々のストレスが関与していると考えられています。また、繰返し発症することが多く、徐々に聴力が低下し難聴となるもございます。
治療といたしましては、内服投与とともに日常の中でストレスを避けるなどの生活指導を伝えさせていただきます。
前庭神経炎
体位や頭位に関係なくじっとしていても回転性のめまいが起こるのが特徴です。このめまい感は通常2~3日続き、少しずつ症状は改善していきますが、動くときの「ふらつき」が残りやすく、半年後も半数近くの人でこのふらつきがみられると言われます。
難聴やや耳鳴りは伴いません。眼振検査では頭位にかかわらず激しい眼振が起こります。
原因は、三半規管や耳石器が感じた姿勢の情報を脳に伝える前庭神経に炎症が起こり、左右の耳で差が生じることでバランスが崩れめまいを起こします。発症前に風邪症状がある人が多いためウイルス感染が原因と考えられていますが、先行する感染が見られない場合は、内耳の循環障害なども原因の一つと考えられています
治療といたしましては、抗めまい薬を服用しながら症状が軽くなったら平衡訓練(めまいのリハビリ)を実施いただきます。改善するまでに数か月要することもございます。
補聴器外来
「聞こえが悪くなってきた」「補聴器が必要かな」と感じたら、まずは耳鼻科のご受診をお勧めいたします。
当院では、補聴器相談医が聞こえの検査から、補聴器の試用、調整からご購入までをしっかりサポートいたします。ご購入後の定期的なご受診やアフターフォローもおまかせください。
1
2
3
4